2013年9月19日木曜日

第43回:治癒。

私が、オステオパシーを学ぼうとしたきっかけは、「治すってなんだろう?」という疑問を解決したかったからだ。

それまでの自分は多くの患者さんを集めることはできても、治すことはできていないのではないかと強く感じる時期があった。

このことに関しては、オーストラリアで若い先生とベテランの先生のある会話がとても印象に残っている。
若い先生が、私は常に6週間先まで予約が埋まっているという話をしたのに対し、ベテランの先生は、それはきちんと治していないからで、商売のために何かを操作しているんだと言った。

私のクラスメートはみんな若く仕事の経験も浅かったので、若い先生をうらやましそうに、そして、ベテランの先生は何を言っているのか?!という顔をしたが、私にはこの会話の意味が良く変わった。別にどっちが良いとかの話しではない。それぞれの治療に対する考え方が違うだけだ。

結局、このようにいろいろな考えがあるので、オーストラリアでも「治癒」に対する明確な答えは見つけることが出来なかった。正確には、「自分に合った治癒の考え方」には出会うことがなかった。

それが、先日アメリカに行ったときに「自分に合う考え方」に出会うことができた。セミナーの会場となったアメリカ、サンディエゴにあるOsteopathic Center for Babies and Familyの入り口に掲げられていた看板にその答えはあった。

「At the Osteopathic Center for Children, Our mission is to Help Children & their Families Reach thier FULL Potential」 

「子供とその家族がかれらの持っている最高のポテンシャルに到達するのを助ける!」

多分、これを見ても何も思わない人のほうが多いのかもしれない。でも、私はこれを見た瞬間に背中に電気が走るような衝撃を受けた。そして、思わず「すげぇ!」って言ってしまった。

「これだ!!」治癒ってこれなんだ。

ひとそれぞれのポテンシャル。そのひとが持っている最高のポテンシャルに到達する手伝いをする。

だから、我々は「道案内人」で良いのだ。あるところまでは連れていくことができても、最後は自分で越えていかなければいけないことがある。最後の門は自分でまたがなくてはいけない。

この10年くらいずっとこのことを考えていた。やっと出会ったような気がする。
でも、10年くらいで出会えたのはラッキーなのかもしれない。

あとはこれを実行していくだけだ。迷いはない。

赤ちゃんのポテンシャル、妊婦さんのポテンシャル。障害を持っている人のポテンシャル、それぞれの人のポテンシャルを感じ、引き出す。簡単ではない。でも、できる。

そうすることで、自分のポテンシャルも引き出せる。

やっぱりオステオパシーをやって良かった。


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