2015年1月6日火曜日

第56回:ニュートラル

明けましておめでとうございます。
昨年の12月は結局更新できずに終わってしまいました。今年は、毎月最低でも一回は更新するようにします!

前回のブログで、セミナーで心に残った言葉として「ニュートラル」を紹介させて頂きました。
それから、自分なりに「ニュートラル」を考えてみると、これは思ったよりさらに重要なのでは?と思い今回は「ニュートラル」だけを取り上げさせて頂きます。

自分の「ニュートラル」な状態を知っているか?

この質問に答えるのは難しいのでは。それは、自分の「ニュートラル」を知らないからです!
知らないというより、気がつくことができなくなっているんです。

車のギアの「ニュートラル」。エンジンは止まっていないけど、車は動いていない。
でも、ブレーキを外せば、前にも後ろにも進むことができる。
つまり、静止しているが、エネルギーがある状態で、きっかけさえあれば、どの方向にも進むことができる状態なのです。
これが1速や2速のギアに入っていると、前には動いているが、後ろには進めず、さらに止まるにはとても大きなエネルギーを必要をする。

自分では、「ニュートラル」にいると思っていても、実は「1速」にギアが入っている。
自分では静止していると思っている時間も、実は前に進み続けている。
身体が自分を治す隙すらない。この状態が続けば、当然病気になります。

現代はこのような状態で体調を崩している人が多いのでしょう。

R.ベッカーDOが、患者を治療するときは、患者が「ニュートラル」になってから始めなさいと言ったという。「ニュートラル」は、大きな力があり、どの方向へも行くことができるので、治療の効果も出やすいからだ。
これを聞いて以来、私も治療前の「ニュートラル」を意識している。これを意識することによって、自分も「ニュートラル」な状態で治療することができる。
「ニュートラル」になるまで治療を始めない。

「ニュートラル」を意識して街を歩いてみる。
電車や歩行中の些細な喧嘩。
赤信号を待てない。
乱暴な運転。
常にスマホを見ている。

「ニュートラル」は大人だけのものではない。
子供も同じ。
疳の虫が強い。夜泣きがひどい。落ち着きがない。
貧乏ゆすり。爪を噛む。
子供も「ニュートラル」になれていない。そういう時は、当然母親も「ニュートラル」な状態ではない。

自分でニュートラルを知るには、「休息」をとるしかない。
今、そんなの「無理」だと思った方は、ギアが「N」には入っていないのでしょう。

一日の中で、少しでも「休息」を取ることだ。
「瞑想」や「座禅」などは有効な手段なるだろう。
静かなところで、自分の身体の隅々、自分の心に意識を張り巡らしてみる。

時間があれば、2,3日の充実した休日をとってみるとよいだろう。
2,3日あるからといって、弾丸ツアーに行ったりしてはいけない。
自然に囲まれた、ゆったりしたところで、適切な食事と、適度な運動をする。
もちろん、テレビや、電話、インターネットなどは必要ない。

そうして、自分の身体に力が湧いてくるのを感じてみて欲しい。
人生のなかでそういう時は、絶対あったはず。思い出す感覚なのでは。
安定した状態のエネルギー。走り続けるためのエネルギーとは違う。

しっかり働き続けるためにも、きちんと休息を取ることをお勧めする。
人間はずっと走り続けるようにはできていない。
無理が続けば、病気になるようにできている。

日本人は古来よりそのことを知っていたはずだ。
病になると温泉などで「湯治」をしていた。これは、時間をかけて「ニュートラル」を取り戻し、そこからの治療効果を期待して行ったのであろう。
自然治癒力が最大限に働く環境に入る。だいたいのものが治る。

先日、ある患者さんに「先生、そうは言っても、この忙しい現代社会で、ゆっくりリラックスなんて不可能ですよ!」と。

なるほど!

でも、健康には限りがあります。
健康を失えば、全てを失います。

忙しい社会だからこそ、「休息」を大切にして頂きたい。
身体の奥から力が湧いてきますよ!


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