2015年2月12日木曜日

第57回: The Cause

先日、FBのオステオパスのフォーラムをみていると面白い?素晴らしい?投稿があった。

卒業したばかりの先生が「側弯症」の治療について質問していて、みんなに「どんなテクニックや運動」を使っているか教えて欲しいというものだった。

するとすぐに「自分がどのようなところを治療している」とか、「どこを検査してみると良い」などというアドバイスでいっぱいになる。(日本でもこのようなシステムが作りたい。)

その中に目を見張るようなコメントがあったので紹介させて頂きたい。
Look, question, prod, dig, explore for CAUSE. That is where we succeed as osteopaths. Techniques are secondary. It takes a lot of practice but it is worth considering this for every patient. They teach us a lot.」

 ~原因を考えろ!~手技はその後だ。習得には長い年月を要するが、全ての患者で考える価値がある。そこから多くのことを学ぶことができる。~

 これこそがオステオパシー!

日本のオステオパシーは、手技、手技、手技。手技先行。
これは、オステオパシ―に限ったわけではなく、日本の治療家は手技を学びたい傾向にある。
教育する方もそのような傾向にある。

「この手技を使えば、これが治せる!」このフレーズが大好き。
このような書き込みのセミナーも数多い。
確かに、需要と供給からすれば、このアプローチがベスト。

でも、この発想は創造的でもなければ発展的でもない。

確かに、その時の痛みを取るだけならそれでも良いのかもしれない。しかし、治療家がそれで納得できるのだろうか。その時の痛みだけをとり、二日後にはまた繰り返すことを望む治療家はいないだろう。

Drベッカーも、「キーリージョン(カギとなる病変)を治してしまえば、あとの治療はクロームメッキを磨いているようなものだ」と言っている。それと同時に、「キーリージョンを探すのには、1~2時間かかる時がある」とも言っている。

Drサザーランドも、Drフライマンも頭蓋を1~2時間触っている時があったという。

時間をかけろと言っているのではなく、治療において原因を探すことがそれくらい重要に考えられている言うことがわかる。

痛みがある。なぜ?
姿勢がわるいから。では、なぜ姿勢が悪いの?
ずっと座っているから。ずっと座っているとどうして痛みがでるの? 

うつになった。なぜ?
自分ではわからない。では、なぜ自分ではわからない?
それもわからない。・・・・・。

そういえば最近、猫背を治すとかいうわけのわからないセミナーの広告をみた。こういうのが究極のダメな治療。こいうのに高いお金を払うなら、家で解剖の本を読んでいた方がはるかに有意義。

答えは身体が教えてくれる。あとは、それをどうするか。そこではじめて手技の選択になる。手技の選択にも理由が生まれる。意図。

目の前に答えがあるわけだから、簡単に答えを求めずに、まずは、自分でできる限りをしてみてはいかがだろう。いずれ何かが見えてくる時がくるだろう。試行錯誤。

人間関係も同じではないだろうか?
恋人が怒っている時に、まずなぜと考える。そこから何をすれば機嫌を回復してもらえるかを考えてみる。原因をみつけて、解決法を選ぶ。

どのケースでも100%機嫌を回復させる方法など存在しないのと同じで、そのような手技も存在しない。
相手のことを考えながら、自分で見つけるしかない。ダメだったら次。次。次。
いつか確率が高くなるかも。
逆に、どんな方法でも納得してもらえる自分も大切。

ということは、治療が上手になれば、恋愛も上手になるのかな?!
ヨシッ!頑張って「原因」を探してみよう!!!

冗談はさておき、今回は、フォーラムでこのような質疑応答があったという報告だったのだが、これは本当に素晴らしいシステムだと思う。

簡単に質問ができ、多くの意見を聞くことができる。
隠すことなく、進んで教える環境があるのは素晴らしいことだ。
全て正しい必要はない。自分なりの考えを主張できる先輩がいるというのは、その業界にとってとても良いことだ。

日本でもオステオパスを増やして、10年後にはこのような環境ができるようにしたい。





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