2012年11月29日木曜日

コラム: 多民族国家

先日興味深いニュースを読んだ。それはオーストラリアで韓国人に対する暴行事件が頻発しているというニュースだ。記者は、それを白豪主義と報道している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121127-00000006-cnippou-kr


ここ数年、オーストラリアは多くの移民を受け入れている。人口も2000万人を超えた。そして、今も増加しつづけている。移民を受け入れるということは、その文化も受け入れるということになる。

「郷に入れば郷に従え」のように移民先の国の文化を受け入れるべきだという人がいるかもしれない。しかし、現実問題として3世、4世の代になるくらいまでは難しいのではないかと思う。ひょっとしたら、永遠に埋まらない差だってあるのかもしれない。しかし、それを含めてその国の文化になっていくのだろう。

では、どうしてこの様な事件が頻発しているのか?私は、「勤勉さ」「必死さ」の違いなのではないかと思う。
アジア人の移民はオーストラリア人や他の地域からの移民と比べて明らかに労働に対する気合いが違う。中国も韓国も国内の一流の大学を卒業しても確実に就職できる保証はない。国内の競争は他の国とは比べ物にならないのではないだろう。人口に対するマーケットが小さすぎるのだ。そこで、国外にビジネスチャンスを探す。 韓国の歌手やゴルフ選手が必死に海外で活動するのも国内のマーケットに限界を感じているからだろう。

今回はたまたま韓国人に連続しておこっているが、決して韓国人を標的にしているわけではないだろう。なぜならオーストラリア人が日本人、韓国人、中国人を見た目や言葉で区別できないからだ。 実際、ひとつの事件は「Fuxx Chinese!」と言って襲われている。日本人にも十分起こりえることだ。

オーストラリアの最低賃金は時給15ドル(1300円)くらいである。 日本と比べてもとても高い。アジアの国で時給15ドルくらい貰える国があるのだろうか。しかし、現実は、オーストラリアで働く多くのアジア人は正規での就職ができないのでもっと安い時給で働いている。国によっては、それでも母国で働くより良いのではないだろうか。

日本もそうだが、アジア各国は、国内の競争が激しいので年中休みなく働く。競争相手が営業時間を延ばせば同じように伸ばし、安くすれば、それよりも安くする。そういうことが当たり前になっているので、移住先でも同じことをする。

シドニーでは、オーストラリアンデイという建国記念日の様な日にお店をオープンするのを禁じる法律ができた。アジア人がそんなのお構いなしに仕事をするのを抑制するためだ。

今まで競争などほとんどなかったオーストラリア。いきなり格安で営業時間が長いお店ができ始めると運営はうまく行かなくなる。結果として、雇用の問題がおこる。雇用の問題はサブプライムなど様々な要因により起こっているのだろうが、その怒りの矛先は身近な所に行く。そして、今回の様な暴行事件が起こるのではないかと思う。オーストラリア人からすると自分たちの働き口が奪われているように感じるのだろう。

その点、日本は違う。国内のマーケットがでかい。歌手もゴルファーも海外に出る必要はない。留学生も少ない。今は、人口とマーケットがギリギリつりあっているのだろう。好んで辛いことをする人はいない。しかし、あと何年かすればそのマーケットは必然的に小さくなる。その時、日本はどのように対応するのだろうか。

今も、移民や留学生の受け入れを無防備に行っている日本。日本人よりも優遇される外国人がいる国。尖閣や竹島のように何か起こってもすぐに対応することができない日本。

人口減少にともない、マーケットを維持するために移民を受け入れる。その時、かれらの文化も受け入れてあげれるのだろうか。

われわれ日本人は、白人よりも圧倒的に保守的だ。アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ。どこでも移民の問題は起こっている。日本はそういうことも考えて進んでいかなくてはいけないように思う。

そうしないと、この様な事件が日本でも起こってしまうような気がしてならない。

2012年11月27日火曜日

第25回:ストレス

みなさんはストレスを感じた時、どのようにして乗り越えているでしょう?

今年も残すところあと1カ月。無事に年末年始を乗り切って頂くために、今日はストレスについて書いてみたいと思います。

現代社会はストレス社会と言われています。したがって、治療においてもストレスを無視することはできません。

ストレスの原因はいろいろあります。仕事の重圧、家庭の役割、人間関係、お金、心配事。これらは比較的気が付きやすいものですね。しかし、体調面、睡眠不足、栄養バランス、長時間に渡る同じ姿勢など気が付きにくいものもたくさんあります。

好きなものばかりを食べる。先日言ったように脳は騙されるけど腸にはストレスがかかる。たばこやお酒などの嗜好品も同じですね。脳は喜び、身体は悲鳴をあげる。ストレスです。

長時間のデスクワークも同じです。「私はPC作業が大好き」と言っても身体には大きなストレスが掛かっている。運動も得意な動作だけを繰り返しているといつの間にか怪我の連続という負の連鎖が始まる。すぐに変化がなくても、数か月、数年後には健康問題になっている可能があります。

この様に、自分にとっては「楽しい、嬉しい、おいしい」など喜ばしい感覚もストレスとなり、いろいろな身体問題となっていることがあるんです。そして、患者さんはまずこういうことを自ら言うことはありません。あまりに症状がとれない時は確認しても良いかもしれませんね。

大切なことは、身体からのサインを見逃さないようにするということです。身体は、小さな感覚や身体の痛み、いろいろなサインを出します。忙しい日々やプレッシャーの中にいると見逃してしまうこれらのサインですが、見逃がし続けると身体は必ず悲鳴をあげます。身体的には、ぎっくり腰や寝違いなどが起こるのかもしれないし、精神的にはうつなどの症状として現れてくるでしょう。身体は強制的にそれ以上の行動を止めようとします。そうなってからでは治すのは大変です。 最悪の場合は、もっと深刻な病気や過労死なども起こりえるでしょう。

身体のサインに気がついても、気が付かないふりをする。その結果が取り返しがつかない結果だとしたらどうでしょう?

オーストラリアの大学の教授が「勝者は常に身体だ!」と言っていました。これは、健康な身体なしに成功はあり得ないということです。健康とはとても大切なんです。

全てのストレスを消す必要はありません。ストレスは時にモチベーションやパワーになります。それゆえ、うまく付き合えるといいですね。

忙しい時は、目の前にいろいろやらなくてはいけないことがあるでしょうが、、一旦立ち止まり「自分はハッピーか?」という自問をし、身体のやりたい事、したい事をしてあげる。そういうことが繰り返しできれば、健康を保つことができ、病気にならずにいられるのではないでしょうか。

みなさんは、自分のストレスの原因が何かおわかりですか?




2012年11月25日日曜日

第24回 Vital Sign

バイタルサイン=「生きている証」。

血圧、心拍数、呼吸数、そして、体温。最近は、これらの他にもいろいろ加わっているようだが、基本的には、心臓が動いている。呼吸をしているなどの生きているサイン。

私が日本に帰ってきて感じたこと。それは日本人はとても厚着だということ。これは日本を離れた事がある人だったら感じたことがあるだろうし、一時帰国した人などからも聞くことがあるだろう。
実際、メルボルンにいても日本からきた観光客はすぐわかる。基本的には厚着だ。

それには、バイタルサインの1つ「体温」が関係していると思う。

日本では熱が37度を超えると動くのがつらくなり病院に行く人がいると思う。しかし、オーストラリアでは、発熱は38度から。それ以下で病院にいっても帰ってリンゴでも食べて寝てなさいと言われる。薬すらもらえない。

気温が20度を超えればみんなサーフショーツにTシャツ、ビーサン。20度をこえると夏になる。これは考え方の違いによるものな気がする。日本人は一日の中で一番寒いときに備えた格好をして外出するのに対し、オーストラリアの人は、一日の中で一番暖かいときに合わせて出かけているように思う。まぁ、これはどっちが良いということはない。

皆さんは自分の平熱をご存じだろうか?皆さん、熱がある時は計るが、普段から計っている人はいないでしょうか。しかし、何かしら慢性の症状がある人は、毎日決まった時間に体温を測ってみると良いと思う。きっと36度以下である場合が多いのではないだろうか。

低体温は、基本的には交感神経系の亢進により起こる。そして、その交感神経系の興奮の主なる原因は「ストレス」だ。

詳しい話しは、ここでは省きますが、この結果、体内に活性酸素が大量発生し、内臓を傷つけ、風邪をひいたり、最悪の場合は癌になったりする。低体温は多くの問題を引き起こす。

短期間の強いストレス、長期間にわたる小さなストレス。どちらも同じように問題になってくる。

では、全くストレスフリーの生活が良いのかというとそうでもない。最近、いろいろな本で言われている「副交感神経系を亢進が病気を防ぐ」という状態だが、あまりにその状態が続けば、交感神経系の亢進と同じように低体温を引き起こす。

ストレスは適度に感じるくらいが良いようです。

では、どのくらいの体温が良いのかというと腋窩で36.3~36.5度くらいでしょう。体内は37.2度前後。この体温は、体内で免疫系がもっとも効果的に働ける温度と言われている。

では、どのようにして体温をあげるのか?
まずは第一に運動でしょう。筋肉による熱生産を上げる。特に下半身。そして、内臓の代謝も重要になる。腸内環境を良くするような食事、そして腹式呼吸などにより圧をかけていくと良いのではないでしょうか。

たばこやカフェインなどにも気を付ける必要があるでしょう。
「私、冷え性なんです。」と言う患者さんがいる。しかし、その患者さんは厚着はしているものの、タバコも吸う、コーヒーもがぶがぶ、おまけに運動はしないし、外食が多い。 しかも、多くのストレスを抱えている。この患者さんをどのようにして治せばよいでしょう。いくら治療しても治りません。

他にも、睡眠不足、肩コリ、腰痛、胃炎、アルコール、うつ気味、アレルギー体質等がある場合は、体温を測ってみると良いのではないかと思います。

今は、どこに行っても暖房がある。小さいころからそういう環境で育つ。電車の中、デパート、オフィス。どこに行っても過剰なくらい暖かい。

とてつもない寒冷地でもない限りは家の中と、外気温を同じくらいにした方が良いという先生もいる。永平寺の雲水さんも寒さには慣れると仰っていた。

寒さが風邪をひかせているのだろうか?

暖房は素晴らしいですが、暖房を入れる前にできること、やれることがたくさんあります。
是非、生活習慣を改善して平熱を高くしてみませんか?

2012年11月21日水曜日

第23回 HOLISTIC PRACTICE

オステオパシーの最大の特徴は「HOLISTIC=全体的な」な治療です。このホリスティックが最大の特徴であるがゆえに、オステオパシーは説明が難しいのです。今日はあるウェブページでホリスティックをとてもうまく説明している文があったので紹介します。

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「 ホリスティック プラクティス」

オステオパシーは、痛みなどの治療にホリスティック(全体的)なアプローチを使います。ホリスティックとは、オステオパスが、その患者に影響をあたえるであろう要素。その患者の現在、過去、そして、過去にあった事、或いは今現在抱えている全ての要因から症状を考えることです。

継続する感情的や精神的なストレスは、身体の機能に影響を与え、いつのまにか永続する筋骨格の問題になります。

そこで、オステオパスは問診や検査、そして治療にホリスティックアプローチを用いるのです。オステオパスは、単に痛いところだけを治療するのではなく、その患者さんをさまざまな方向からみて総合的に判断、治療します。

ホリスティックアプローチとは、頭から足先までを治療したり、痛みをとるのにいろいろなタイプの手技を使うことではありません。

反対に、アロパシー的なホリスティックアプローチは、症状を軽減していく手法をとります。そのやり方は、症状がある部位に対してのマッサージやストレッチ、そして、超音波などの痛みを軽減させる方法になります。この方法では、痛みがある部位にはアプローチできるが、その症状の背景にある大きな問題は解決することはできません。
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ご理解頂けたでしょうか?

オステオパシーは、どうして症状として現れているのかにとても重きを置きます。
したがって、筋骨格のバランスはもちろん、患者さんの過去、現在、過去の出来事、今抱えている問題。栄養。運動。さまざまな観点から問題を考え治療します。

赤ちゃんの時、ある意味では完全な身体、心が出産という大きなイベントを経験し、成長とともにいろいろな影響を受けて症状として現れる。

皆さんの症状は何に影響を受けて出ていると思いますか?
仕事?人間関係?お金?親子関係?未来への不安?ちょっと考えてみてはいかがでしょうか。


 

2012年11月19日月曜日

第22回 これからのオステオパシー

日本に帰って来て院を開き、その関連もあり多くの人と会い名刺交換する機会が増えた。私の名刺にはオステオパシーと書いている。しかし、そのほとんどの人がオステオパシーを知らない。治療に携わっている人でも知らない人が多い。名前は知っていても、何をするのか良く分からないということもあるようだ。前にもブログで言ったが、オステオパシーを簡単に説明するのは難しい。

これはオーストラリアでも同じであった。ほとんどとまでは言わないが、30%くらいの人はまだオステオパシーを知らないと思う。国民2000万人の国にオステオパシーの大学が3校ある。最近になり、日本で言う国家資格のように全州統一のナショナルボードというのもできたし、年々その需要は高まっているのでこれから国民の知るところとなるだろう。オステオパスだと永住権も取り易くなる。

日本にはオステオパシーの高等教育機関がない。鍼灸は大学があり、最近柔整の大学もできた。国家資格も鍼灸、柔整にアンマ、マッサージ、指圧師の3つがある。

なんとかオステオパシー協会みたいなのは結構あるみたいだ。大きくなる前に分かれてしまったのだろうか?

しばしばオステオパシーと同じように見られるカイロプラクターの協会はどうなっているのだろう。やはり分裂を繰り返しているのだろうか?

話は違うが、フランス人のオステオパスによると、全世界には280校くらいオステオパシーの学校があり、、その半分はフランスにある。しかし、認可を受けているのはわずか6校だけ。無茶苦茶だ。それだけあれば、その認知度は高いのだろうか?日本の治療院の状態はこんな感じだろう。国家資格の人がやっている院のほかに、いろいろな民間治療であふれている。

最近になり、日本には薬を使わずに患者さんを治療している医師がいることを知った。それも1人、2人ではない。きっと、まだまだいるのだろう。

オステオパシーはアメリカで生まれた。しかし、1960年代にアメリカのオステオパシー協会は医師会に統合される形で、その原形を失った。いまでは、アメリカのオステオパスで手技だけで治療しているのは全体の2%に満たないと言われている。手技について研究する研究者もいなくなってきている。創始者の薬を使わない、できるだけ手術はしないという思いはもう存在しない。しかし、それでもオステオパシーだ。

しかし、薬を処方できるお医者さんがその薬を使わずに治療している。内科医、精神科医、小児科医。きっと積極的に使わない医師もたくさんいるだろう。オーストラリアのオステオパスにも、いわゆる西洋の医療にほとんど頼らずに診療している先生がいる。 もちろん、必要な時に、きちんと必要だと判断できることが最低条件となる。

オーストラリアのオステオパシーはそのくらいの位置にある。日本のオステオパシーもその位置まで行く日がくるだろう。そして、その時は名刺をみてオステオパシーが分からない人がいない様になっていていると嬉しい。

微力ではあるが日本でオステオパシーが認知されるように頑張っていくぞ!

2012年11月17日土曜日

第21回 Visceral Manipulation

今日は内臓マニピュレーションについて書いて行きます。

内臓マニピュレーションは全ての臓器の動きと身体の構造の間の同調的な相互関係に主眼を置いたテクニックです。健康な身体では、これらの同調的な関係は、身体のどんな動きにも影響されることなくとても安定しています。

内臓オステオパシーとは?
フランス人Jean-Piere Barral DOにより創始されました。

内臓は特別な膜につつまれ、支えられている特別な軟部組織です。したがって、内臓は、その膜が引っ張られたり、ひねられたり、圧迫されたり、常に外力にさらされています。

内臓オステオパシーは、内臓の動きを促進、外力による停滞の解消、そして、管状の内臓の流れを良くすることを目的にしています。

さらに、内臓への直接的なアプローチは、内臓への神経の伝達を回復するためにとても重要になります。

全ての内臓は、自律神経の影響を受けています。副交感神経系への最も効果的なアプローチは頭蓋オステオパシーを通して、頭蓋底や頚静脈孔の動き、働きに注意を置いてみてください。そして、迷走神経は、上部頚椎の動きにも関係があるのでそこも注意深く検査する必要があります。

したがって、頭蓋底や上部頚椎の機能を良くしておくと、それだけで、副交感神経系の働きを良くする事ができます。

骨盤内臓器も仙骨神経系から副交感神経系の影響を受けます。頭蓋仙骨オステオパシーにより、仙骨の働きや機能を良くすることは、骨盤内臓器へのとても良い影響を及ぼします。

交感神経系の臓器への神経支配は、脊柱にそって分布しています。したがって、患者仰向けで脊柱にそって施術者の指を使って患者背中を持ち上げるリブライジングなどのテクニックは、効果的に交感神経系の働きに影響を与えることができます。

内臓テクニックは、其本的にはとても優しいテクニックです。そして、やはり解剖を熟知しておく必要があります。エネルギー系の治療は解剖をおろそかにしてしまうことがありますが、解剖をしっかりイメージして行って行かなくてはなりません。

生物の発生からすると、脳や心臓より先に内臓ができます。そして、地球上のはじめの生物は、内臓は有していたが、脳は持っていませんでした。今でも多くの生物が脳を持たずに生活しています。内臓が脳として働いているのでしょうか?

そういった点から、内臓は第2の脳と言う人がいますが、実は第2ではなく独立した考えをもって働いていると考えています。しかも、脳は直接治療できないけど、内臓はできるんです。

交感神経が過剰に働けは下痢になり、副交感神経では便秘になる。過剰な栄養を体外に出すために下痢になる。変なものを食べるとお腹が痛くなる。そのとき、脳は変なものと認識できていないわけです。したがって、脳は身体に悪いものでもおいしいと判断してしまうけど、内臓は悪いものは悪いと判断しているのです。視覚、聴覚、味覚など、脳はしょっちゅうミスを犯します。内臓は間違いを犯しません。

下痢、便秘、アレルギー、じんましんなどいろいろなサインを見逃さないようにしてください。そして、内臓の声に耳を傾けてみてください。




2012年11月12日月曜日

コラム:モノの教え方&運動の仕方②

先日、モノの教え方&運動の仕方(http://www.blogger.com/blogger.g?blogID=6902311061894011594#editor/target=post;postID=4223088751855473924)について書いた。今日はその続きを書いてみる。続きというよりその番組の宣伝になってしまいそうだが。

先日BSプレミアムで;旅のチカラ「YAWARAの魂に迫る~吉田秀彦 フランス~」という番組を見

その番組は、ロンドン五輪での日本柔道惨敗を受けて、バルセロナオリンピック金メダリストの吉田秀彦氏がフランスを訪れると言うものだ。フランスは現在世界最高の柔道人口を誇り、ロンドン五輪で大会最多のメダルを柔道で獲得している。

日本とフランスのどこに違いがあるのか?吉田氏は日本柔道への危機感とともに町道場を訪れる。

吉田氏はオリンピック選手を輩出した町道場をいくつか訪れて行くうちに、その練習風景を見て衝撃を受けることになる。 そこには、日本では見ることができない練習風景があった。子供たちとても楽しそうに柔道に取り組でいたのだ。もちろん、先生が声を荒げることなどはない。

フランスでは、柔道の基礎を4年間かけて行う。まずは、柔道を楽しんでもらい、黒帯を取るまで続けてもらうことに重きを置その後、レベルに合わせて厳しくなっていく。とても自然な流れだ。

その楽しそうに練習する子供たちを見た吉田氏は、「今まで柔道をやっていて楽しいと思ったことはない。」と言った。五輪で金メダルを取った人が柔道を楽しんだことがない。他に誰が楽しいと思う事ができるのだろう。

さらに、そこにでてくるフランス人柔道家たちは口をそろえて、「柔道は人生だ。柔道からいろいろ教えてもらう。」と言う。多分、誰に教えられるわけでもなく、そういう考えに行きつくのだろう。それこそまさに’道’なのではないかと思う。日本より、日本っぽい。日本でやっていてそういう考えに行きつくことができるのだろうか。

はじめに楽しみを教えるフランス、はじめから厳しくする日本。今回のオリンピックを見るとどちらの方が良い結果をもたらすのかを分かって頂けるだろう。さらに、ある程度の段階に行きついた時のその競技に対する愛情、心構えなども大きな差が生まれているように感じる。

では、日本の厳しい教育を支えてきたものは何なのか?日本軍国主義が終わったも、教育という枠から完全にそのシステムを排除することはできなかった。それはいまでもできていない。これは、「人は自分が教えられたようにしか教えることができない。」という考えに従えば納得頂けるだろう。 他の方法をしらないので、知らないうちに自分がやってきたことを正当化してしまう。幼稚園、小学校、きちんとしている子が良い子だ。個性がある子は良い子に成りずらい。

もう一つの重要な要素は、日本の人口の多さだう。これは、先に書いたオーストラリアともフランスとも圧倒的に違う。オーストラリアは日本の6分の1、フランスでも2分の1に過ぎない。
したがって、日本には変わりがいくらでもいるのだ。むしろ、多少厳しくしないと、振り落とせなかったのかもしれない。

この考えからいけば、日本でもサッカー、野球、水泳などまだまだ競技人口が多いスポーツでは厳しくしてもスポーツのレベルが落ちることはないだろう。次がいる。極端に競技人口が少ないアイススケートなどの純粋培養も別だ。しかし、柔道、相撲、ラグビーなど競技人口がどんどん減少しているスポーツでは、いままでのようにはじめから振り落とすと誰も残らなくなってしまう。結果として、あるレベルに達すると甘くするしかなくなる。あるレベルに達すれば競争があるようでない。悪循環。こうなるとこれらのスポーツはレベルがあがらなくなり、いつのまにか衰退してしまう。

この状況を説明するのにとても良い例が番組の中にあった。吉田氏は、「日本では、柔道の強化選手同士が直接練習することはありえない」と発言している。私もこの発言にはビックリした。フランスでは、強化選手は1年を通して合宿生活し、お互いに日々切磋琢磨する。そのレベルにきて初めて本当の競争がはじまる。日本と全く逆である。どちらが強くなるかを見るより明らかだ。

いざ勝負。となった時に延びる可能性がない、あるいは競争させられないのでは話にならない。小さい頃の何年間をフランスやオーストラリアのように楽しんでスポーツをさせても、行きついた時には追い越されてしまう。我々は、このことに早く気が付かなければならない。

これはスポーツだけでなく、様々な分野にも言えるのかも知れない電化製品、映画、政治力、学力。

楽しむことから始め、好奇心を抱かせ想像力を駆り立てるそして、いざ必要な時には持っている力を爆発させる。

小さなころにしっかりと人間力を育てる。親が過度な期待をしない事が重要なのかもしれない。

11月15日(木)BSプレミアム:午前8時から再放送があるようだ。もし、興味がある方は見てみてください。

  

2012年11月10日土曜日

コラム: TOXIC PARENTS

先日、「毒なる親」という本を読んだ。内容はどうあれその中に気になった一節があったのでそれについて書いてみる。

「自分にはできない」と思っているのは、実際には「できない」のではなく、「していないでいること」を選択しているのである。
「自分にはできない」という考えは、そう思った瞬間に自分を縛ってしまう呪文のようなものだ。実際には自分の意思で「しないでいるのだ」ということをはっきりと自覚してほしい。
選択してそうしているのか、それともそうでないのかの二つには、大きな違いがあるからだ。

この本は、調べてもらえれば分かると思うのだが、親子関係、そして、その関係により子供の人生に及ぼす影響とその改善策について書かれている。そして、この一節は、ある問題を改善しようとした時にしばしば遭遇する「自分にはできない」という考えに対しての作者の意見だ。

なぜ私はこの一節が気になったのか?

この文はある意味で、治療にも通じると感じたからだ。では、この文を治療に置き換えて書いてみる。

「自分は治らない」と思っているのは、実際には「治らない」のではなく、「治らないでいること」を選択しているのである。
「自分は治らない」という考えは、そう思った瞬間に自分を縛ってしまう呪文のようなものだ。実際には自分の意思で「治らないでいるのだ」ということをはっきりと自覚してほしい。
選択してそうしているのか、それともそうでないのかの二つには、大きな違いがあるからだ。

もちろん全ての症状がこれに当てはまるわけではない。事実、多くの方が治りたいと思っているし、自然治癒力を有している身体は治そうとする。

では、なんで何年も治らない症状があるのだろう。何年も治らない腰痛。何年も治らない肩コリ。何年の治らない心の問題。身体には何が起こっているのだろう。筋肉であれば6-8週位の内に治癒するのではないだろうか。骨であっても12-15週もあれば元に戻るだろう。でも、実際はそれよりも長く通院している人の方が多いのではないだろうか。

最後の、「選択してそうしているのか、それともそうでないのかの二つには、大きな違いがあるからだ。」
この一節も実に重要だ。「様々な治療をしたり、生活習慣を改善したり、自分の症状につしてしっかり勉強や分析しているのに治らない」のと、「何もせず、何も改善せず、自分の症状が何なのかも知らないで治らない」ので大きな違いがあるからだ。

同じ治らないにも背景はいろいろある。しかし、我々は、その症状、状態がこのどちらに由来するものなのかをしっかり見極める必要がある。前者の場合は、いずれ改善する時がくるだろうが、後者の場合には、まずそのことを気がついてもらわなければならない。認識しないかぎり改善は見られない。

オーストラリアでは、患者さんを自立させることをとても重要に考えている。治療に依存させることはあってはならない。1つの手技に依存したら、その手技を使わないようにしろと言われるくらいだ。このことはどの先生にもとても厳しく言われる。

患者の選択。患者の自立。選択を見極め、自立を促す。頑張って行こうと思う。

ちなみに、その本によると、頭痛、胃腸の問題、身体のコリ、疲労感、食欲不振、過食、睡眠障害、吐き気、などは、「毒なる親」を持った子供が成人後によく見せる症状だそうだ。




2012年11月7日水曜日

第20回 Lymphatic Drainage

第20回は、リンパの流れを改善するテクニックについて書いていきます。風邪なども流行ってくるころなのでちょうど良いかと思います。

これは、とても優しい手技を用いてリンパや体液の循環を促進する手技です。この手技は、むくみなどにとても効果があり、さらに副交感神経系を刺激することによって身体にある緊張を解放することができます。ここで言う’むくみ’とは目に見える物だけでなく、目に見えない体液の流れの停滞も指しています。

リンパへの手技はそれ単体で用いられることはほとんどありません。他の症状に付随して起こっている、或いはその原因となるリンパの流れを改善します。

では、効果がある症例をいくつか挙げていきます。
  • 手術後の痛み、むくみ
  • むくみ
  • 手足の痛み
  • 多発性硬化炎
  • 慢性疲労症候群、線維筋痛症
  • ストレス、疲労
  • 関節炎
  • 頭痛、片頭痛
  • 不眠症、バイタリティーの消失、記憶低下
  • 免疫系
  • 減量
乳癌のあとの腋から腕へのむくみの治療、股関節や骨盤のあたりにあるリンパ節へ影響を及ぼす癌などの治療後の下肢への治療にも用いることができます。これらの治療は簡単には行きません。数週間から数年掛かる事もあります。しかし、むくみを減らすことによって、関節、四肢を動きやすくし、何よりも心身への苦痛を減らすことができると考えています。

私は癌ではなく、膝の前十字靱帯の手術直後のむくみを治療をしましたが、治療とともに目に見えて腫脹を改善することができました。特に、手術の後は、優しい刺激で十分に身体は反応します。怪我~手術と身体は長い間ストレスにさらされます。そこでさらに強い刺激を用いる必要はないのです。まずは、身体を落ち着かせるように刺激を入れるようにしてください。私はこの時、まず下肢のリンパの流れを改善し、その後股関節、膝関節、足関節をBLTで治療してバランスを取る様にしました。

そして、リンパ循環の停滞、鬱滞は、免疫力を著しく低下させます。したがって、風邪や病気になりやすい状態になります。したがって、リンパの流れを良くしておくことは、病気の予防にもなります。
例え風邪をひいてもあきらめずに、そこでしっかりリンパの流れを良くしておくと薬を飲まなくてもスムーズに改善が見られます。薬が好きでない方は是非試してみてください。

私の経験から言うと、東洋医学でいうところの気滞、気鬱の状態にある人はほぼ100%と言っていい位リンパの流れに問題があります。しっかり流れを改善して身体も気持ちもすっきりするようにしてあげてください。必ず喜んでくれます。

リンパへの手技をするにあたり最も大切になってくるのが解剖です。 解剖。解剖。解剖。
解剖なくしてオステオパシーはありません。手技をしながらしっかりと目的の部位をビジュアライズできるように勉強しておいてください。目に見えるむくみはある程度治療できますが、目に見えない流れの停滞は視覚的に感じていかないと見えてこないと思います。そうなると、エステでこすっているのと大差なくなってしまいます。

最後に、ワンポイントです。よく”末梢から中枢へ”と言われると思いますが、まず中枢側にスペースを作って末梢から流してみてください。例えば、下腿にむくみがあっても、鼠径部にスペースを作って、大腿にスペースを作って、最後に下腿から流してください。きっと綺麗に流れると思います。試してみてください。

では、風邪をひかない様にリンパの流れを綺麗にしましょう。




2012年11月5日月曜日

第19回 Centralization

本日は、’Centralization=集中’について書いてみる。

治療中は覚醒も必要だが、同じように集中力を要する。そして、使う手技によって一気に集中力を高める必要もある。皆さんは、そんな時どのようにして集中力を爆発させているのだろう?

オステオパシーでは、頭蓋、ファンクショナルなど間接法の際に特に高い集中力を求められる。
ある程度、経験があれば違うのかもしれないが、私はまだ意識的に集中力を高めるようにしないと思ったように診ることができない。

そして、高い集中力のレベルも一定でなくてはならない。その集中力は自分の体調やコンディションなどに左右されるべきではないし、コンディションが悪い時ほど強い集中力が発揮できるように訓練しておいたほうがよいうだろう。

覚醒から一気に入る深い集中力。これには訓練が必要だ。

では、オーストラリアの授業で教えられる方法を書いてみる。
  1. 椅子に深く腰掛ける。
  2. 膝は90°、両足の裏がきちんと床に着くようにする。
  3. 背筋を伸ばす
  4. 目を閉じて、何回か深呼吸する。
  5. 自分の回りのスペースを感じる。
  6. 患者にも十分なスペースを与える。
まずは、自分がリラックスできる状態をつくり、そして、患者さんにもリラックスできる環境を与える。
これはとても大切なことだ。患者さんを触る前に自分がしっかり落ち着く必要がある。

両足を床に着けるのは安定性ということもあるのだろうが、大地からのパワーを感じるためと言っている先生もいた。オーストラリアでは、たまに裸足で治療しているヒッピーな人もいる。

そして、先生は瞑想やヨガなどを日常的にしておくことを勧めていた。
日本では座禅などもよいでしょう。
はじめは一人でやるのは大変なのでグループワークに参加しても良いのかもしれない。

そういえば、エドガー・ケーシーも瞑想をしないなんて考えられないと言っていた。彼は、瞑想をとても大切に考え、彼の本「神の探究」にわざわざ瞑想の項目を増やしたくらいだ。

私は、集中力に限界はないと思っている。短時間でしっかりと高めることができればより細かい動きや現象まで感じることができるだろう。それが自然にできるようになっているのが理想的だ。

私も練習をするようにしている。家のような静かなところでやってみたり、電車のなかでやってみたり、時にはサウナで我慢しているときなどにもやるようにしている。でも、やっぱり難しい。

あと、大切なことは、どうしても集中できない時。そういう時は、患者さんから一度手を離なして、上に書いた順番を繰り返しやってみる。リセットも必要だ。そして、準備が整ったら再度手を置く。

先日、永平寺別院長谷寺の雲水さんの話しを聞く機会があった。その中で、雲水さんは、姿勢と呼吸が整えば、考えはまとまるとおっしゃっていた。心が乱れているときは、いつもやっている合掌ですらできなくなってしまうとのことだった。

治療もきっと同じなのだろう。

集中力!
何か良い練習方法があったら教えてください。

2012年11月1日木曜日

第18回 Osteopathy for Babies and Children

本日は、赤ちゃんと子供のためのオステオパシーについて書いてみます。このエリアは私が最も強く関心があるエリアです。理由としては、大人を治療していると明らかに昔からもっている状態に苦しんでいる人が多いということです。本人はそのことに気がついていません。

赤ちゃんや子供の時にしっかり身体を整えておけば、後々でてくるであろう問題を少なくすることができるし、何といっても子供はとても良く治療に反応することができるのです。不調をできるだけ早く取り除いておけば、後の人生がとても幸せなものになると考えています。

一般的には、赤ちゃんや子供はストレスや緊張がないと考えられている。なぜなら彼らはとても若いからだ。しかし、現実は違う。
まず出産は我々の人生でもっともストレスフルな出来事の1つである。 出産までの間、子宮から押し出され、産道からのプレッシャーを感じ、骨盤の中でその位置を変えるなど子供はいろいろな力に直面する。

赤ちゃんの頭はこれらのストレスをしっかり吸収する能力を持っている。産道を通るために、頭の骨は重なり、曲がり、そして、ゆがむことによって頭のサイズを小さくする。そして、顎を胸の方へ近づけることにより、さらに頭の直径を縮める。

その結果、多くの赤ちゃんは頭の形がゆがんだ状態で生まれてくる。 初めの数日、赤ちゃんがお乳を飲んだり、泣いたり、あくびをすることによって、そのゆがんだ形はゆっくり弛んできれいになっていく。しかし、この元に戻す過程は、不完全なまま終わってしまうことが多い。特に、難産であったり、器具を使った場合は不完全であることが多い。その結果、赤ちゃんは、頭と身体にとても不快なストレスを抱えて生きて行かなくてはならなくなる。

だいたいの赤ちゃんは、たとえとても強い変形や圧迫感があったとしても、それらのストレスとうまく付き合うことができるし、満足でき幸せを感じることができる。しかし、うまく対応できない子もいる。このことを覚えておかなくてはならない。オステオパスは、これらの身体に残った圧迫感やストレスがどのように子供の身体に影響しているのかを観察し、治療します。

骨や頭蓋の間への圧迫
赤ちゃんは、頭蓋に常にプレッシャーを感じるととても不快に感じている。これは特に圧迫感が強くなる仰向けn寝た時に感じる。したがって、起きているときより、横になったほうが表現が強くなる子供が多い。これは大切なサインだ。

神経への圧迫
バースコンプレッション(トラウマ)は、唇、ほほ、そして、舌への神経に影響しやすいと考えられている。これらの神経は、頭蓋の下の部分から出ているのだが、赤ちゃんのこの部位は大人ほどしっかり守られていない。赤ちゃんは、しっかりお乳を吸うために、これらの神経、そして、その神経に支配される筋肉を上手に使う必要がある。したがって、うまくお乳が吸えないのも一つのサインになる。

筋肉と軟部組織への圧迫
食道から胃にいくまでに、横隔膜という肋骨の下にある筋肉の層を通る。難産や早産によるストレスはこの横隔膜の緊張を生む。もし、横隔膜が食道方向へ引っ張られると、胃が内容物を保持する能力が著しく低下する。これは、へその緒の問題。へその緒が赤ちゃんの首に絡まっているような場合に赤ちゃんのお腹に緊張を生じる。

通常の緊張
妊娠中や出産時の赤ちゃんへのストレスは、そのまま赤ちゃんの身体の緊張になり、神経系は、常に異常な状態のままになる。これらは、難産、早産の時だけでなく、通常の出産でも起こり、赤ちゃんは完全にリラックスしたり、眠るのが難しい状態に陥る。

これには、1つのセオリーがある。もし、赤ちゃんがそのような状態にあると、まず消化に問題をきたす。母乳やミルクは消化する前に胃からはきだされ、もし、残ったミルクが小腸にはいったとしても、うまく消化できずに発酵してしまいガスを発生する。その結果、赤ちゃんはとても不快な思いをすることになる。

幼児~小児
赤ちゃんのときにこれらの問題をしっかり解決しておかないと、後になって上に描いたような呼吸や消化など様々な問題を起こすことが最近研究で明らかになってきている。呼吸や消化がうまく働かなければ成人してからどんな問題が起こってくるかは容易に想像できるだろう。

頭蓋の骨への圧迫
肉体的な圧迫は、その機能にも影響する。頭や身体の機能は特に重大な影響を受ける。 頭蓋底や耳の周囲へのプレッシャーが解放されないと、耳管への体液循環は低下する。それを放っておけば、繰り返し炎症がおこったり(中耳炎)、膠耳になったりする。最近、注目の突発性難聴だった十分に起こりえるのではないだろうか。発生場所は違うが、同じような発生起序でいえば、斜視が起こったりもする。

顔や顎の骨へも出産時のストレスを受けやすいところだ。これらの骨は、きちんとした形に育つためにも、歯並びをよくしたり、各歯へ適切なスペースをつくるためにも出産時の圧迫を取っておかなければならない。

もし、出産時の圧力が鼻へ影響したら、その子供は口で呼吸をすることになる。口呼吸では、舌が上の歯のアーチを適切にサポートすることができないし、歯がきちんと育つことごできないことが証明されている。

したがって、繰り返す中耳炎、口呼吸、歯並びが著しく悪いこともサインになりえる。

頭蓋オステオパシー
頭蓋へのアプローチはとてもやさしく、安全です。しばしば、外からみているとじっとしているだけで何をしているのか分からないくらいです。しかし、大人だけでなく、赤ちゃんや子供のとても効果を発揮します。
ストレスや緊張を解放するために、その軽い力を使って身体が持っている自然な力を最大限に発揮できるようお手伝いをします。

副作用
治療後の反応は様々ですが、通常子供はリラックスし良く眠る事ができます。それとは反対に、治療後、エネルギーを爆発させ、しばらくして穏やかに眠りに就くこともあります。治療後に元気になるのは正常な反応です。
ごくたまに治療後になかなか落ち着くことができない子供がいます。でも、こえは一時的な反応で、24-48時間以内には落ち着きます。

ここに挙げたのは、ほんの一例にすぎません。
特に小さい頃は、自分をうまく表現できません。泣きやまない、うまくお乳を吸えない、ミルクを吐く、口で呼吸する。気持ちが晴れない。それらの原因が妊娠や出産時に受けたストレスだったらどうでしょう?

これらを解消することはお母さんのストレスを減らすことにもつながります。そして、親子関係も圧倒的によくなります。

妊娠、出産時に子供がなんかしらのストレスを受けているので、その時の母親にも何かしらの問題があったと私は考がえています。これらは、マタニティーブルー、マタニティーディプレッションなどとも関係があるでしょう。したがって、子供の治療と同じように母親の治療もとても重要と考えています。

最近、良く言われる精神的な疾患。もしかしたら、このようなことに起因しているのかもしれないし、肩こり、片頭痛、腰痛などもここでも問題に起因しているのかもしれません。

もし、このような子供のこのような症状、そして、自分自身の体調でお悩みの方。親子関係でお悩みの方。時間は何も解決してくれません。是非、一度相談ください。