2012年11月19日月曜日

第22回 これからのオステオパシー

日本に帰って来て院を開き、その関連もあり多くの人と会い名刺交換する機会が増えた。私の名刺にはオステオパシーと書いている。しかし、そのほとんどの人がオステオパシーを知らない。治療に携わっている人でも知らない人が多い。名前は知っていても、何をするのか良く分からないということもあるようだ。前にもブログで言ったが、オステオパシーを簡単に説明するのは難しい。

これはオーストラリアでも同じであった。ほとんどとまでは言わないが、30%くらいの人はまだオステオパシーを知らないと思う。国民2000万人の国にオステオパシーの大学が3校ある。最近になり、日本で言う国家資格のように全州統一のナショナルボードというのもできたし、年々その需要は高まっているのでこれから国民の知るところとなるだろう。オステオパスだと永住権も取り易くなる。

日本にはオステオパシーの高等教育機関がない。鍼灸は大学があり、最近柔整の大学もできた。国家資格も鍼灸、柔整にアンマ、マッサージ、指圧師の3つがある。

なんとかオステオパシー協会みたいなのは結構あるみたいだ。大きくなる前に分かれてしまったのだろうか?

しばしばオステオパシーと同じように見られるカイロプラクターの協会はどうなっているのだろう。やはり分裂を繰り返しているのだろうか?

話は違うが、フランス人のオステオパスによると、全世界には280校くらいオステオパシーの学校があり、、その半分はフランスにある。しかし、認可を受けているのはわずか6校だけ。無茶苦茶だ。それだけあれば、その認知度は高いのだろうか?日本の治療院の状態はこんな感じだろう。国家資格の人がやっている院のほかに、いろいろな民間治療であふれている。

最近になり、日本には薬を使わずに患者さんを治療している医師がいることを知った。それも1人、2人ではない。きっと、まだまだいるのだろう。

オステオパシーはアメリカで生まれた。しかし、1960年代にアメリカのオステオパシー協会は医師会に統合される形で、その原形を失った。いまでは、アメリカのオステオパスで手技だけで治療しているのは全体の2%に満たないと言われている。手技について研究する研究者もいなくなってきている。創始者の薬を使わない、できるだけ手術はしないという思いはもう存在しない。しかし、それでもオステオパシーだ。

しかし、薬を処方できるお医者さんがその薬を使わずに治療している。内科医、精神科医、小児科医。きっと積極的に使わない医師もたくさんいるだろう。オーストラリアのオステオパスにも、いわゆる西洋の医療にほとんど頼らずに診療している先生がいる。 もちろん、必要な時に、きちんと必要だと判断できることが最低条件となる。

オーストラリアのオステオパシーはそのくらいの位置にある。日本のオステオパシーもその位置まで行く日がくるだろう。そして、その時は名刺をみてオステオパシーが分からない人がいない様になっていていると嬉しい。

微力ではあるが日本でオステオパシーが認知されるように頑張っていくぞ!

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