2012年11月17日土曜日

第21回 Visceral Manipulation

今日は内臓マニピュレーションについて書いて行きます。

内臓マニピュレーションは全ての臓器の動きと身体の構造の間の同調的な相互関係に主眼を置いたテクニックです。健康な身体では、これらの同調的な関係は、身体のどんな動きにも影響されることなくとても安定しています。

内臓オステオパシーとは?
フランス人Jean-Piere Barral DOにより創始されました。

内臓は特別な膜につつまれ、支えられている特別な軟部組織です。したがって、内臓は、その膜が引っ張られたり、ひねられたり、圧迫されたり、常に外力にさらされています。

内臓オステオパシーは、内臓の動きを促進、外力による停滞の解消、そして、管状の内臓の流れを良くすることを目的にしています。

さらに、内臓への直接的なアプローチは、内臓への神経の伝達を回復するためにとても重要になります。

全ての内臓は、自律神経の影響を受けています。副交感神経系への最も効果的なアプローチは頭蓋オステオパシーを通して、頭蓋底や頚静脈孔の動き、働きに注意を置いてみてください。そして、迷走神経は、上部頚椎の動きにも関係があるのでそこも注意深く検査する必要があります。

したがって、頭蓋底や上部頚椎の機能を良くしておくと、それだけで、副交感神経系の働きを良くする事ができます。

骨盤内臓器も仙骨神経系から副交感神経系の影響を受けます。頭蓋仙骨オステオパシーにより、仙骨の働きや機能を良くすることは、骨盤内臓器へのとても良い影響を及ぼします。

交感神経系の臓器への神経支配は、脊柱にそって分布しています。したがって、患者仰向けで脊柱にそって施術者の指を使って患者背中を持ち上げるリブライジングなどのテクニックは、効果的に交感神経系の働きに影響を与えることができます。

内臓テクニックは、其本的にはとても優しいテクニックです。そして、やはり解剖を熟知しておく必要があります。エネルギー系の治療は解剖をおろそかにしてしまうことがありますが、解剖をしっかりイメージして行って行かなくてはなりません。

生物の発生からすると、脳や心臓より先に内臓ができます。そして、地球上のはじめの生物は、内臓は有していたが、脳は持っていませんでした。今でも多くの生物が脳を持たずに生活しています。内臓が脳として働いているのでしょうか?

そういった点から、内臓は第2の脳と言う人がいますが、実は第2ではなく独立した考えをもって働いていると考えています。しかも、脳は直接治療できないけど、内臓はできるんです。

交感神経が過剰に働けは下痢になり、副交感神経では便秘になる。過剰な栄養を体外に出すために下痢になる。変なものを食べるとお腹が痛くなる。そのとき、脳は変なものと認識できていないわけです。したがって、脳は身体に悪いものでもおいしいと判断してしまうけど、内臓は悪いものは悪いと判断しているのです。視覚、聴覚、味覚など、脳はしょっちゅうミスを犯します。内臓は間違いを犯しません。

下痢、便秘、アレルギー、じんましんなどいろいろなサインを見逃さないようにしてください。そして、内臓の声に耳を傾けてみてください。




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