2012年11月1日木曜日

第18回 Osteopathy for Babies and Children

本日は、赤ちゃんと子供のためのオステオパシーについて書いてみます。このエリアは私が最も強く関心があるエリアです。理由としては、大人を治療していると明らかに昔からもっている状態に苦しんでいる人が多いということです。本人はそのことに気がついていません。

赤ちゃんや子供の時にしっかり身体を整えておけば、後々でてくるであろう問題を少なくすることができるし、何といっても子供はとても良く治療に反応することができるのです。不調をできるだけ早く取り除いておけば、後の人生がとても幸せなものになると考えています。

一般的には、赤ちゃんや子供はストレスや緊張がないと考えられている。なぜなら彼らはとても若いからだ。しかし、現実は違う。
まず出産は我々の人生でもっともストレスフルな出来事の1つである。 出産までの間、子宮から押し出され、産道からのプレッシャーを感じ、骨盤の中でその位置を変えるなど子供はいろいろな力に直面する。

赤ちゃんの頭はこれらのストレスをしっかり吸収する能力を持っている。産道を通るために、頭の骨は重なり、曲がり、そして、ゆがむことによって頭のサイズを小さくする。そして、顎を胸の方へ近づけることにより、さらに頭の直径を縮める。

その結果、多くの赤ちゃんは頭の形がゆがんだ状態で生まれてくる。 初めの数日、赤ちゃんがお乳を飲んだり、泣いたり、あくびをすることによって、そのゆがんだ形はゆっくり弛んできれいになっていく。しかし、この元に戻す過程は、不完全なまま終わってしまうことが多い。特に、難産であったり、器具を使った場合は不完全であることが多い。その結果、赤ちゃんは、頭と身体にとても不快なストレスを抱えて生きて行かなくてはならなくなる。

だいたいの赤ちゃんは、たとえとても強い変形や圧迫感があったとしても、それらのストレスとうまく付き合うことができるし、満足でき幸せを感じることができる。しかし、うまく対応できない子もいる。このことを覚えておかなくてはならない。オステオパスは、これらの身体に残った圧迫感やストレスがどのように子供の身体に影響しているのかを観察し、治療します。

骨や頭蓋の間への圧迫
赤ちゃんは、頭蓋に常にプレッシャーを感じるととても不快に感じている。これは特に圧迫感が強くなる仰向けn寝た時に感じる。したがって、起きているときより、横になったほうが表現が強くなる子供が多い。これは大切なサインだ。

神経への圧迫
バースコンプレッション(トラウマ)は、唇、ほほ、そして、舌への神経に影響しやすいと考えられている。これらの神経は、頭蓋の下の部分から出ているのだが、赤ちゃんのこの部位は大人ほどしっかり守られていない。赤ちゃんは、しっかりお乳を吸うために、これらの神経、そして、その神経に支配される筋肉を上手に使う必要がある。したがって、うまくお乳が吸えないのも一つのサインになる。

筋肉と軟部組織への圧迫
食道から胃にいくまでに、横隔膜という肋骨の下にある筋肉の層を通る。難産や早産によるストレスはこの横隔膜の緊張を生む。もし、横隔膜が食道方向へ引っ張られると、胃が内容物を保持する能力が著しく低下する。これは、へその緒の問題。へその緒が赤ちゃんの首に絡まっているような場合に赤ちゃんのお腹に緊張を生じる。

通常の緊張
妊娠中や出産時の赤ちゃんへのストレスは、そのまま赤ちゃんの身体の緊張になり、神経系は、常に異常な状態のままになる。これらは、難産、早産の時だけでなく、通常の出産でも起こり、赤ちゃんは完全にリラックスしたり、眠るのが難しい状態に陥る。

これには、1つのセオリーがある。もし、赤ちゃんがそのような状態にあると、まず消化に問題をきたす。母乳やミルクは消化する前に胃からはきだされ、もし、残ったミルクが小腸にはいったとしても、うまく消化できずに発酵してしまいガスを発生する。その結果、赤ちゃんはとても不快な思いをすることになる。

幼児~小児
赤ちゃんのときにこれらの問題をしっかり解決しておかないと、後になって上に描いたような呼吸や消化など様々な問題を起こすことが最近研究で明らかになってきている。呼吸や消化がうまく働かなければ成人してからどんな問題が起こってくるかは容易に想像できるだろう。

頭蓋の骨への圧迫
肉体的な圧迫は、その機能にも影響する。頭や身体の機能は特に重大な影響を受ける。 頭蓋底や耳の周囲へのプレッシャーが解放されないと、耳管への体液循環は低下する。それを放っておけば、繰り返し炎症がおこったり(中耳炎)、膠耳になったりする。最近、注目の突発性難聴だった十分に起こりえるのではないだろうか。発生場所は違うが、同じような発生起序でいえば、斜視が起こったりもする。

顔や顎の骨へも出産時のストレスを受けやすいところだ。これらの骨は、きちんとした形に育つためにも、歯並びをよくしたり、各歯へ適切なスペースをつくるためにも出産時の圧迫を取っておかなければならない。

もし、出産時の圧力が鼻へ影響したら、その子供は口で呼吸をすることになる。口呼吸では、舌が上の歯のアーチを適切にサポートすることができないし、歯がきちんと育つことごできないことが証明されている。

したがって、繰り返す中耳炎、口呼吸、歯並びが著しく悪いこともサインになりえる。

頭蓋オステオパシー
頭蓋へのアプローチはとてもやさしく、安全です。しばしば、外からみているとじっとしているだけで何をしているのか分からないくらいです。しかし、大人だけでなく、赤ちゃんや子供のとても効果を発揮します。
ストレスや緊張を解放するために、その軽い力を使って身体が持っている自然な力を最大限に発揮できるようお手伝いをします。

副作用
治療後の反応は様々ですが、通常子供はリラックスし良く眠る事ができます。それとは反対に、治療後、エネルギーを爆発させ、しばらくして穏やかに眠りに就くこともあります。治療後に元気になるのは正常な反応です。
ごくたまに治療後になかなか落ち着くことができない子供がいます。でも、こえは一時的な反応で、24-48時間以内には落ち着きます。

ここに挙げたのは、ほんの一例にすぎません。
特に小さい頃は、自分をうまく表現できません。泣きやまない、うまくお乳を吸えない、ミルクを吐く、口で呼吸する。気持ちが晴れない。それらの原因が妊娠や出産時に受けたストレスだったらどうでしょう?

これらを解消することはお母さんのストレスを減らすことにもつながります。そして、親子関係も圧倒的によくなります。

妊娠、出産時に子供がなんかしらのストレスを受けているので、その時の母親にも何かしらの問題があったと私は考がえています。これらは、マタニティーブルー、マタニティーディプレッションなどとも関係があるでしょう。したがって、子供の治療と同じように母親の治療もとても重要と考えています。

最近、良く言われる精神的な疾患。もしかしたら、このようなことに起因しているのかもしれないし、肩こり、片頭痛、腰痛などもここでも問題に起因しているのかもしれません。

もし、このような子供のこのような症状、そして、自分自身の体調でお悩みの方。親子関係でお悩みの方。時間は何も解決してくれません。是非、一度相談ください。

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