2012年11月29日木曜日

コラム: 多民族国家

先日興味深いニュースを読んだ。それはオーストラリアで韓国人に対する暴行事件が頻発しているというニュースだ。記者は、それを白豪主義と報道している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121127-00000006-cnippou-kr


ここ数年、オーストラリアは多くの移民を受け入れている。人口も2000万人を超えた。そして、今も増加しつづけている。移民を受け入れるということは、その文化も受け入れるということになる。

「郷に入れば郷に従え」のように移民先の国の文化を受け入れるべきだという人がいるかもしれない。しかし、現実問題として3世、4世の代になるくらいまでは難しいのではないかと思う。ひょっとしたら、永遠に埋まらない差だってあるのかもしれない。しかし、それを含めてその国の文化になっていくのだろう。

では、どうしてこの様な事件が頻発しているのか?私は、「勤勉さ」「必死さ」の違いなのではないかと思う。
アジア人の移民はオーストラリア人や他の地域からの移民と比べて明らかに労働に対する気合いが違う。中国も韓国も国内の一流の大学を卒業しても確実に就職できる保証はない。国内の競争は他の国とは比べ物にならないのではないだろう。人口に対するマーケットが小さすぎるのだ。そこで、国外にビジネスチャンスを探す。 韓国の歌手やゴルフ選手が必死に海外で活動するのも国内のマーケットに限界を感じているからだろう。

今回はたまたま韓国人に連続しておこっているが、決して韓国人を標的にしているわけではないだろう。なぜならオーストラリア人が日本人、韓国人、中国人を見た目や言葉で区別できないからだ。 実際、ひとつの事件は「Fuxx Chinese!」と言って襲われている。日本人にも十分起こりえることだ。

オーストラリアの最低賃金は時給15ドル(1300円)くらいである。 日本と比べてもとても高い。アジアの国で時給15ドルくらい貰える国があるのだろうか。しかし、現実は、オーストラリアで働く多くのアジア人は正規での就職ができないのでもっと安い時給で働いている。国によっては、それでも母国で働くより良いのではないだろうか。

日本もそうだが、アジア各国は、国内の競争が激しいので年中休みなく働く。競争相手が営業時間を延ばせば同じように伸ばし、安くすれば、それよりも安くする。そういうことが当たり前になっているので、移住先でも同じことをする。

シドニーでは、オーストラリアンデイという建国記念日の様な日にお店をオープンするのを禁じる法律ができた。アジア人がそんなのお構いなしに仕事をするのを抑制するためだ。

今まで競争などほとんどなかったオーストラリア。いきなり格安で営業時間が長いお店ができ始めると運営はうまく行かなくなる。結果として、雇用の問題がおこる。雇用の問題はサブプライムなど様々な要因により起こっているのだろうが、その怒りの矛先は身近な所に行く。そして、今回の様な暴行事件が起こるのではないかと思う。オーストラリア人からすると自分たちの働き口が奪われているように感じるのだろう。

その点、日本は違う。国内のマーケットがでかい。歌手もゴルファーも海外に出る必要はない。留学生も少ない。今は、人口とマーケットがギリギリつりあっているのだろう。好んで辛いことをする人はいない。しかし、あと何年かすればそのマーケットは必然的に小さくなる。その時、日本はどのように対応するのだろうか。

今も、移民や留学生の受け入れを無防備に行っている日本。日本人よりも優遇される外国人がいる国。尖閣や竹島のように何か起こってもすぐに対応することができない日本。

人口減少にともない、マーケットを維持するために移民を受け入れる。その時、かれらの文化も受け入れてあげれるのだろうか。

われわれ日本人は、白人よりも圧倒的に保守的だ。アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ。どこでも移民の問題は起こっている。日本はそういうことも考えて進んでいかなくてはいけないように思う。

そうしないと、この様な事件が日本でも起こってしまうような気がしてならない。

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