2012年11月25日日曜日

第24回 Vital Sign

バイタルサイン=「生きている証」。

血圧、心拍数、呼吸数、そして、体温。最近は、これらの他にもいろいろ加わっているようだが、基本的には、心臓が動いている。呼吸をしているなどの生きているサイン。

私が日本に帰ってきて感じたこと。それは日本人はとても厚着だということ。これは日本を離れた事がある人だったら感じたことがあるだろうし、一時帰国した人などからも聞くことがあるだろう。
実際、メルボルンにいても日本からきた観光客はすぐわかる。基本的には厚着だ。

それには、バイタルサインの1つ「体温」が関係していると思う。

日本では熱が37度を超えると動くのがつらくなり病院に行く人がいると思う。しかし、オーストラリアでは、発熱は38度から。それ以下で病院にいっても帰ってリンゴでも食べて寝てなさいと言われる。薬すらもらえない。

気温が20度を超えればみんなサーフショーツにTシャツ、ビーサン。20度をこえると夏になる。これは考え方の違いによるものな気がする。日本人は一日の中で一番寒いときに備えた格好をして外出するのに対し、オーストラリアの人は、一日の中で一番暖かいときに合わせて出かけているように思う。まぁ、これはどっちが良いということはない。

皆さんは自分の平熱をご存じだろうか?皆さん、熱がある時は計るが、普段から計っている人はいないでしょうか。しかし、何かしら慢性の症状がある人は、毎日決まった時間に体温を測ってみると良いと思う。きっと36度以下である場合が多いのではないだろうか。

低体温は、基本的には交感神経系の亢進により起こる。そして、その交感神経系の興奮の主なる原因は「ストレス」だ。

詳しい話しは、ここでは省きますが、この結果、体内に活性酸素が大量発生し、内臓を傷つけ、風邪をひいたり、最悪の場合は癌になったりする。低体温は多くの問題を引き起こす。

短期間の強いストレス、長期間にわたる小さなストレス。どちらも同じように問題になってくる。

では、全くストレスフリーの生活が良いのかというとそうでもない。最近、いろいろな本で言われている「副交感神経系を亢進が病気を防ぐ」という状態だが、あまりにその状態が続けば、交感神経系の亢進と同じように低体温を引き起こす。

ストレスは適度に感じるくらいが良いようです。

では、どのくらいの体温が良いのかというと腋窩で36.3~36.5度くらいでしょう。体内は37.2度前後。この体温は、体内で免疫系がもっとも効果的に働ける温度と言われている。

では、どのようにして体温をあげるのか?
まずは第一に運動でしょう。筋肉による熱生産を上げる。特に下半身。そして、内臓の代謝も重要になる。腸内環境を良くするような食事、そして腹式呼吸などにより圧をかけていくと良いのではないでしょうか。

たばこやカフェインなどにも気を付ける必要があるでしょう。
「私、冷え性なんです。」と言う患者さんがいる。しかし、その患者さんは厚着はしているものの、タバコも吸う、コーヒーもがぶがぶ、おまけに運動はしないし、外食が多い。 しかも、多くのストレスを抱えている。この患者さんをどのようにして治せばよいでしょう。いくら治療しても治りません。

他にも、睡眠不足、肩コリ、腰痛、胃炎、アルコール、うつ気味、アレルギー体質等がある場合は、体温を測ってみると良いのではないかと思います。

今は、どこに行っても暖房がある。小さいころからそういう環境で育つ。電車の中、デパート、オフィス。どこに行っても過剰なくらい暖かい。

とてつもない寒冷地でもない限りは家の中と、外気温を同じくらいにした方が良いという先生もいる。永平寺の雲水さんも寒さには慣れると仰っていた。

寒さが風邪をひかせているのだろうか?

暖房は素晴らしいですが、暖房を入れる前にできること、やれることがたくさんあります。
是非、生活習慣を改善して平熱を高くしてみませんか?

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