2012年10月3日水曜日

第2回 Standing&Seated Flexion Test

本日は、Greenman 10Step Screenの中の、Standing &Seated Flexion testについて説明します。このテストはMETで仙骨の変位を確認する際にも使われるので、日頃から練習しておくと良いと思います。

Standing Flexion Testは腸骨に対する仙骨の動き、Seated Flexion Testは仙骨に対する腸骨の動きをテストしています。

Standing Flexion Test
  1. 患者は立位。その時、両足の幅は10cm程度。
  2. 術者は目線をPSISの位置までおとし、手の親指をPSISの下縁に置く。
  3. 患者はず顎を引き、その後床に手が着くまで、ゆっくり、無理なく身体を前に倒していく。その時、施術者はPSISの動きを観察する。(脊柱の側ワンも確認する。)
  4. 頭(天井)方向に動きの多いほうのPSIS側をテスト陽性とする。 
  5. 陽性の原因としては、仙腸関節の動きの低下、その低下により仙骨が腸骨の動きに引っ張られてします等が考えられます。
  6. 反対側のハムストリングの緊張からも同じような所見がでることがあるので、ハムストリングも常に確認する。
Seated Flexion Test
  1. 患者は座位。その時に膝90°で足裏が完全に床に着くようにする。
  2.  術者は目線をPSISのレベルにできるだけ近づけ、手の親指をPSISの下縁に置く。
  3.  患者はゆっくり前屈する。その時、患者の両手は、患者両膝の間を通るようにする。
  4. 術者はPSISの動きを観察し、頭(天井)方向へ動きの多いほうのPSIS側を陽性とする
 Standing とSeatedを比べると、Seatedの方が信頼性が高いです。したがって、Standingだけでは診断には十分でないのでこの二つを併用するようにしてください。


  • (+ve)Standing, (-ve) Seated = 腸骨の障害
 立位では陽性で、座ると陰性。下肢からの影響がない状態、そして、腸骨の動きがある状態で陽性。つまり、腸骨起因の障害と考えられる。
  •  (-ve) Standing, (+ve) Seated = 仙骨の障害 
 これは逆に、腸骨、下肢の影響をなくすと陽性になる。つまりより仙骨起因の障害であると考えられる。
  • (+ve) Standing, (+ve) Seated = 仙骨の障害 
どちらも陽性。腸骨、仙骨どちらも考えなくてはいけないのだが、Seated Flexion testの方がテストとしての信頼性、優位性が高いため仙骨起因と考える。

この2つのテスト。読むと難しいですが、やるととても簡単。慣れると1,2分でできます。この1,2分で自分の中での基準ができます。治療には必ず基準必要。まずは、深い事を考えずに左右どちらの仙腸関節に問題があるのかを確認することから初めてください。

おわかり頂けましたでしょうか?





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