2012年10月19日金曜日

第13回 その他のテクニック

直接法、間接法について書いてきましたが、オステオパシーにはまだまだいろいろなテクニックがあります。今日は、それらを簡単に紹介します。

それらのテクニックは、直接法、間接法に簡単にわけることができません。使い方によって、その性質が直接法、間接法、或いはその両方へ変化するからです。

直接法や間接法を用いるもの
  • Osteopathy in the Cranial Field (頭蓋治療)
  • Myofascial Release (筋膜リリース)
  • Visceral Technique (内臓テクニック)
  • Still Technique 
バリアーコンセプトを用いないテクニック
  • Chapman Reflex
  • Lymphatic pump
  • Harmonic Technique 
Osteopathy in the Cranial Field 
これは直接法、間接法のどちらも用います。
頭蓋治療については書きたいことがたくさんあるので、また後日詳しく書きます。

Visceral Manipulation
治療の目的は、手技的に内臓の構造を治療することによって、正常な緊張、動き、神経と体液の流れを取り戻すことです。
内臓マニピュレーションは、特定の手技を用いるわけではなく、様々な手技を合わせて用います。
体性神経、副交感神経などの神経支配、そして、そのレベルを知る事により幅広く治療することができます。

Myofascial Technique
この手技は、ストレッチと反射的解放を複合的に用いることにより軟部組織と関節性の可動性の低下を改善することを目的としています。したがって、ゴールは、、緊張の緩和と機能的協調の獲得になります。
この手技は、直接法と間接法を相互的に用います。

Chapman's Reflexes
これは、手技ではありませんが、1920年にシステムと認識れせ、内臓障害の治療に用いられます。
内臓ー体性反射を刺激することを目的にしています。
ある緊張点は、内臓からの反応点として認識され治療に使われます。
でも、基本的には、治療そのものよりも診断法として使われる方が一般的です。

Lymph pumps
1923年にC.E.Millerにより、リズミカルに腋窩を押すテクニックをとおして描かれ、リンパポンプと名付けられました。
足をリズミカルに背屈することによりリンパ液をポンプする力を起こし循環をよくしたりするのが一例になります。
最近の研究により胸椎、腹をポンプするとリンパ細胞の循環が増すと方向されています。


Harmonic Technique
リズミカルな振幅運動により関節運動を促進し、リンパ液やその他の体液の循環を良くします。
イギリスでは、これに似たような手技がいろいろあります。
  • General osteopathic treatment (GOT)
  • General articulatory treatment 
  • Total body adjustment 
これらの手技も繰り返し身体をゆらすことによって関節の適切な動きを取り戻し、体液循環をよくします。


これまでいろいろなテクニックを紹介してきましたが、われわれは、これらの直接法、間接法のテクニックを合わせて治療します。したがって、100人のオステオパスがいれば100通りの治療法があると言われるのです。このことがオステオパシーって何?と聞かれた時にうまく説明するのに困ってしまうとこなんです。一言で言えるほど簡単ではないんです。

オステオパシーは原理が大切であり、その原理に基づいてする手技に意味があるのです。極端な話、AT.Stillが提唱した医療哲学を基に治療をすれば何をしてもオステオパシーなのです。逆にそれを知らなければ何をしていてもオステではありませ。

日本では、オステと言えば手技という感じで捉えられることが多いですが、その一つ一つの手技だけをピックアップして使っていても究極それはオステではありません。

中医学の中に鍼や灸があるのと同じです。その鍼や灸にもいろいろな方法があります。鍼も灸も見た目が分かりやすいので説明は簡単なのですが、中医には本来、陰陽五行論など、いろいろな原理、原則があります。その原理原則をおろそかにして手技だけを行っている。、今のオステはまさにそんな感じなのでしょう。(もちろんしっかりやられている方はたくさんいると思います)。

次回からそのオステオパシーの原理、原則を紹介していきます。楽しみにしていてください。



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