2012年10月28日日曜日

第16回 X-ray

本日は、X-rayの基本的な見方を書いてみる。多分、ご存じの方も多いでしょうが、一応順序だって覚えていた方が見落としが少ないと思うので見る順番を中心に書いてみます。

 まず、覚えて頂きたいのがALL ABC'sという語呂です。これがそのまま見る順番になりますので、いままで順序だって見ていなかった先生にはとても便利に使って頂けると思います。

ALL 
  • 必要なフィルムが全て揃っているか?
  • 患者の詳細が全て揃っているか?
  • あるべき骨は全て映っているか?
を確認します。必要なフィルムとは頭蓋には3方向、胸椎は2方向から撮るなどその個所によって軟方向から取るべきかというのが決まっています。それらが全て揃っているか、揃っていないとすればそれはなぜなのかを確認します。患者の詳細は、年齢、性別などのです。これらもとても重要なヒントになるので常に確認が必要になります。そして骨です。これは当たり前のように思いますが、陰影、子供の骨端など欠損しているかのように見えたり、二分脊柱のような奇形や手術で取り除いている場合もあるので確認が必要になります。


A=Alignment(一直線) 
ここでは、1つの骨膜が綺麗に揃っているか、それ以上の骨の並びが綺麗に揃っているかを確認します。例えば、骨折などは分かりやすいですが、その他にも、手関節の尺側変異や脊柱の並び、足のアーチの並びに変異がないかを確認します。

B
B= Bone Quality(骨の質)
これはそのまま、骨がどのように見えるのかを確認します。
骨質が薄くなっている、濃くなっているのか。骨の外側、内側の変化 などをみるようにします。
そして骨膜の関与などもここで確認します。

C
C=Cartilage(軟骨)
軟骨とはいっていますが、ここでは関節の間のスペースと各関節隙が左右対称かを確認します。

S
S=Soft Tissue(軟部組織)
ここでは骨以外の部位での変異を見つけるようにします。腫脹などをみてとることができると思います。

ここでおおよその病変をみつけたら、
1:病変の分析
2:病変はいくつ存在するか。
3:左右対称に存在すうか。
4:診断
この様な流れで診断まで行くことができると思います。

我々が通常見るのは、骨折、脱臼などが多いと思いますが、診断の段階では、レッドフラッグである癌の転移なども十分に考えなくてはなりません。その際は、患者の様々な情報、現病歴、実際の症状などといろいろ照らし合わせて考えていくと良いでしょう。

X-rayを見るのも、1つの技術です。したがって、練習が必要になります。最近では、いろいろな写真がネットにあるので是非ALL ABC'sを使って診断してみてください。





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