2012年10月7日日曜日

第6回 Articulation Technique

今日は雨の日曜日鈍った身体にちょうどよいアーティキュレーション(以降Artic)について書いてみます。これも昨日のSoft Tissueと同じ直接法です。

Aritcは関節可動域の低下した関節へ他動運動を繰り返すことにより、関節可動域の改善を計るというとてもシンプルなテクニックです。関節運動を繰り返す際、毎回バリアー(限界可動域)を感じるようにし、そのバリアーがきちんと広がっていることを確認します。

適応症
  • 関節痛
治療のメカニズム
  • 痛覚低下
  • 体液循環の促進(関節内、関節外)
  • 関節軟骨への栄養の増加
  • 関節周囲の結合組織のストレッチ
  • 交感神経への影響


このテクニックの特徴はLever(てこ)を用いることにより大きな強い力を用いることなく行えるところにあります。
そして、そのLeverにはLong LeverとShort Leverの2種類あります。
  • Long Leverは、てこの支点から離れたところから力を加えて行います。
  • Short Leverは、てこの支点に近いところへ力を加えて行います。
例:第5、第6肋間筋の治療
  • Long Leverの場合
片方の手は、患者第6肋骨を保持し、反対の手で患者上肢を把握、動かすことで目的部位にストレッチを加える。 これは支点から遠いいところから力を加えるのでLong Leverと成ります。
  • Short Leverの場合
片手で患者第6肋骨、反対の手で患者第5肋骨を保持。両手の間隔を開くことによって目的部位にストレッチを加える。これは支点に近いのでShort Leverになります。

Long Lever, Short Lever別にどちらをつかっても構いません、一緒に使ってもOKです。使いやすい方、力の入りやすい方を選んで行ってみてください。

このArticを応用して生み出された手技にイギリスで発展した下記の3つのテクニックがあります。
  • General Articulatory Technique
  • General Osteopathic Treatment 
  • Harmonic Technique
これらのテクニックについては後日ふれていきますが、私はこの中のGenetal Osteopathic TreatmentとHarmonic Techniqueを組み合わせた手技を基本に治療を行っています。利点としては、診断と治療が同時に行えるという点があります。そして、METも組み込むことができるのでほとんどの関節をこの方法で診断、治療しています。

文にすると難しく感じるでしょうが、Articを行うのはとても簡単です。患者さんの関節可動域を検査している時に、動きの悪い方向があったらその可動域の改善がみられるまで繰り返しその方向に動かす!だけです。
検査もそうですが、必ず健側から行い、基準をつくり、その基準を基に患側のバリアーを探し、関節運動を他動的に繰り返すことによって、徐々にそのバリアーを広げるようにする。というのが一連の流れです。

行うのはとてもシンプルなArticですが、バリアーに集中してしっかり行ってみてください。これだけで大きな効果が得られることもあるんです。


0 件のコメント:

コメントを投稿