ます。
Velocity=早い、Amplitude=振幅。つまり、とても速く、短い振幅のテクニックということになります。Drスティルが「Lightening Bonesetter」と言われていたことからも分かるように、この手技からオステオパシーは始まりました。簡単にいうと関節をポキッと鳴らすテクニックです。
日本では、いろんな情報の錯綜により関節を鳴らす手技は敬遠されてきていますが、オーストラリア、特にビクトリア大学ではHVLAの授業数がもっとも多く、これを中心に治療を組み立てる先生がとても多いです。
HVLAは、
- High Velocity Thrust(HVT)
- Mobilisation with impulse(MWI)
- Thrust Technique
- Manipulation
- Adjustment
適応症
- 関節運動の低下
- 関節運動の質の変化
- 関節痛
- 関節周囲の筋肉の硬さ
- 関節障害にともなう交感神経過敏反応
- キャビテーション(ポキッとなる事)
- ストレッチ
- 痛みの抑制
- 筋緊張緩和反射
- 位置覚の向上
- プラシーボ
しかし、メカニズムにきちんとプラシーボを入れるあたりが、日本と違うところなんです。
HVLAの効果の証明
- HVLAはRandom Controlled Trial により腰痛に効果があることが証明されています。
- 数々の研究論文が関節可動域の向上、痛みの低下、そして、位置覚の向上がみられることを証明しています。
- 骨、靭帯、動脈、神経、椎間板などに損傷が起こりやすい状態のときはいかなる症状でも注意が必要となります。
- 患者さんがHVLAをやると楽になるという思いから、手技への依存が強まった場合は禁忌とします。
- 上部頚椎へのHVLAが椎骨動脈を傷つけ脳卒中を起こすことがあると、まことしやかに信じられていますが、統計では、1:40,000~10,000,000くらいの確率であるかもと言われています。かなり少ない確率とはいえるのですが、全くないともいえないというのがいまのところの認識です。
- しかし、、いくつかの論文では、HVLAと脳卒中の関係性を示す証拠がないと言っています。
オステオパスは、頭蓋以外の身体のほとんどの関節をadjustすることができます。しかし、この手技をやみくもに使うのではなく、施術前に患者さんに、その効果、メカニズム、副作用、そして、代替の手技があることを説明することが義務付けられています。こうしたステップを経てはじめてお互いがきちんと守られた状態で施術することができるのです。これは他の手技にも通じることですが、その手技をやる目的、効果、メカニズム、そして、その副作用は必要最低限説明できるようにしておくと良いかと思います。
今回で、ひとまず直接法の簡単な説明は終わります。次回からは間接法を説明していきますので楽しみにしておいてください。
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